Vol.58 『Costa Rica』
  2002年10月5日

地図 旅に出て1年。遂にコスタリカに辿り着いた。
かねてから最も行きたかった国の
1つだったので、期待は大きい。
アキヤンは“ジャングルでサーフィン”と燃え、
私は“熱帯雨林とエコの国”というイメージに
ワクワクして盛り上がっている。

メキシコシティでのんびり休養でもしながら
今後の計画を立てよう! そう話し合っていたにも
かかわらず、なんのことはない、蓋を開けてみれば、結局、毎日呼吸困難になるくらい
動き回って終わってしまった。
そのまま早朝のフライトで、寝不足&疲れでフラフラしながらのコスタリカ入り。

飛行機の中で、初めて真剣にガイドブックを広げてみる。
『国土面積は九州と四国を合わせたくらい。人口は約353万人。
 熱帯雨林や川、太平洋側とカリブ海側に無数のビーチ、国土の1/4が国立公園や
 自然保護区。そこには地球上の全動物種の5%(鳥類は10%!)が生息している… etc。』


「なんだか国全体が“ジュラシックパーク”みたいな所だねぇ…?」などとしゃべってるうちに、
寝こけてしまい、ふと気がつくと飛行機は止まっていた。
相変わらずのノー・プランでファン・サンタマリア空港に上陸!

到着口で荷物を受けとって、後はお茶でもしながら相談しようとドアを出たら、
なんと、そこはいきなり外だった… ???
やる気満々のタクシーの客引きがドーっと押し寄せ、皆一様に我々に向かって叫んでいる。
「どこへ行くんだ?!」
「・・・・・・・・・・・・・。」
どこに行くんだ? と聞かれても、何も決まってないのだから答えようがない。

それでも空港辺りには何もなさそうだし、タクシーの客引きはうるさくて
ゆっくり立ち話しもしてられない。
とりあえず街に出てみようと、San Jose(サンホセ)に向かう。
人口の30%がサンホセ周辺に住んでいるという、コスタリカの首都である。

サンホセ
San Joseの街中。
サンホセ
"Pura vida !!"

「コスタリカの道路はひどい。」と聞いていたが、サンホセまでの道路はまだまだ綺麗。
ただし、街に近づくにつれ車の数も次第に増え、街中に入るとにわかに渋滞してくる。運転も乱暴だ。
ここは初めて来て運転するには辛いかも??
街自体は首都というには質素な感じだが、インターネットカフェからマクドナルドまで、
大抵のものはそろっている。街中よりも郊外に行く程オシャレな店が多いような気がした。

サンホセ自体、標高1150mの高原都市なのだが、我々はメキシコシティから来ているので、
つい“酸素が多い”と感じてしまう。メキシコの乾燥した空気とは一変した湿気を含んだ空気…。
深呼吸すると気持ちがいい。息が深〜く深〜く吸える。
とりあえずホテルにチェックインして、最寄のインターネット・カフェへ。

インターネットカフェ
インターネット・カフェにて。
街中には24時間オープンの
インターネット・カフェがあったりして、
思ったより進んでいる。
中には、日本語が打てるPCがある店もあって、
一安心。ただし日本語が打てるPCは、
ここサンホセにしか無いと言う。
どうやら今後のメールの返事は
ローマ字になりそうだ(?)。

標高が高いせいか気温は涼しい。
夜は肌寒いくらいだ。
コスタリカは中米一治安がいいと言われている国。
街行く人々の表情も、メキシコ人と比べるとずっと穏やかに見える。メキシコシティで
緊張していたせいか、ここに来てドッと疲れも出てきた。初日はサンホセ
一泊することにする。

翌日レンタカーを借りたのだが、これがとんだボロ車。悪路のことを考えて一応4WDにはしたものの、
パワステどころか“重ステ”だし、サイドブレーキも利かないことが多い。
ガソリン・メーターも壊れていて危ないことこの上ない。しかし他に空いてる車が無いらしく、
選択の余地はなかった。そのままボロ車で、まずは最初の目的地に決めたJACO(ハコ)へと
向かう。

JACO(ハコ)は、太平洋側中部コスタリカのサーフィンの中心地。
サンホセから2時間半のドライブだ。
街を出て30分も車で走ると、景色は見る見る変わっていく。
町並みの中に緑が増えてきたなと思うと、あっという間にバナナの木と牧草地が広がってくる。
牛や馬に目を取られているうちに、景色は緑濃い山々に…。

山
JACOに向かう道。
砂漠からこの地に来たためか(?)
“網膜が開く” のが良くわかる。
バリのウブドゥか、はたまたマウイの
HANAか…。もう、そこらじゅうが緑だらけ。
くねくねした山道を走っていると、
ここが国道だということすら忘れてしまう。
緑に囲まれた道沿いにはひっそりと
民家がポツリ、ポツリとあったりする。

大自然に感動しているうちにパラパラと
雨が降り出した。「出た〜〜〜雨だぁ〜!」
そう、只今コスタリカは雨季真っ只中なのであった。
雨がひどくなる前に到着しなければ…とあせる!
なんたって国道とはいうものの、舗装道路にはあちらこちらにボッコリ大きな穴があいてるし、
山道の上、視界も暗い。ボロ車の窓からは、案の定、雨水が滴り落ちてくる。

ようやくJACO(ハコ)に辿り着き、海沿いのホテルにチェックインするやいなや、
大雨となった。もう、半端じゃない。まさにバケツをひっくり返したような雨・雨・雨!!
服がビショビショになりながらも平然と歩く人もいたりして、“ひょっとしてこれが日常か?” と
不安になる。一日中これじゃたまったもんじゃないなぁ、などと思いながらもこの日は熟睡。

翌朝起きたら、予想に反して青空が広がっていた。緑は濃く輝いていて、鳥のさえずりの音がする。
目の前のJACOビーチはクローズアウト気味。
早速ボードケースからボードを出すと、なんとアキヤンのお気に入りジェフ板がクラッシュしていた!
ガーン…。(完璧なパッキングだったのに。)
しかたなく、町のハズレのサーフショップにリペアに出しに行く。
リペア中…
「Carton」サーフショップ。
Raul
Raul
ベネズエラから移ってきてる。
長い間のロン毛をバッサリ切った直後。

「Carton」というサーフショップ。その名もCartonというオーナーが1人でやってる。
いつも暇そうに店の前で下手なギターを弾いている気のいい奴。
リペア代はUS$10。1日で直してくれた。

この店で偶然知り合ったのがRaulだ。一目あって不思議なくらい意気投合!!
宿の世話から、おいしい店、海のポイントまで、いろいろと付き合ってくれ大助かり。
メローで最高な奴との出会いで、一気にJACO滞在が面白くなってきた。
JACOの街
JACOの街中。
服屋
通りにある服屋。
ここ、すごくカワイイ!

JACOは街といっても、1kmにも満たないメインストリートがあるだけ。
メインの道路は舗装されているが、ちょっと横道に入ると泥砂利道となる。
コスタリカ一のサーフ・シティと聞いていたのだが、なんのその、
30年程前のバリ島のような雰囲気で、どーんと田舎である。それでも一応
MASXMENOS(コスタリカのスーパー)があったり、ほんの数軒だけど
カワイイ服屋もあったりする。(あとはデタラメ…。)

シーズン・オフのせいか観光客は少なく、代わりに地元民の落ち着いた生活が
かいま見れて、それがまたよかったのかもしれない。
物価は安く(日本の半額以下)で、食事も驚くほどおいしい!!
麺類はあまり見かけないが、コスタリカでは “米” は常食。これはうれしい。

SODA
コスタリカの軽食屋。
至る所にある。

「Casados」と呼ばれる定食。
魚か肉類のどれか1つに、サラダと
ご飯、黒豆等がつく。これで 250円!

特にガジョ・ピントと呼ばれる炊いた黒豆とご飯の炒め物(味はまるで赤飯のピラフ!)が
気に入った。これに目玉焼きやスクランブル・エッグがのったものが代表的な朝食。
あとはCasadosと呼ばれる定食のようなもの。これもメチャクチャおいしい。
どうやら食の心配はなさそうだ。

夜になると虫の声が凄い。
子供の頃みたいにものすごくよく眠れる。
考えてみれば、メキシコでは浅い眠りが多かったように思うし、メキシコ・シティに至っては、
高度のせいか息苦しくて寝れないこともしばしば…。
ところが、コスタリカに到着して以来、睡眠薬でも飲んだような爆睡である。
酸素の濃度が高いのか? 湿気が関係あるのか? よくわからないが、
体は喜んでいるに違いない。

初めての国、コスタリカ。すでにかなり気に入っている。

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